京アニテロを越える(1)事件発生からのできごと

京都アニメーション放火殺人テロ(敢えてテロと呼ぶ)から一ヶ月が経った。ぼくは事件が発生して以来、一日もこの事件について考えなかったことはない。報道を逐一チェックしては色々思いを巡らせ続けた。ただ、実行犯である青葉真司が重篤な状態にあり、捜査も全くと言ってよいほど進まない状況で、憶測で発言するのはリスクが伴うと考え、口をつぐんできた。しかし、先に述べたように事件の解明にはかなりの長期化が予想される現状で、例え憶測の域を出ないにせよ、ここで「中期報告」を一旦まとめておくことが、何よりも自分自身にとって必要だと思い、筆を執ることにした。我々はいつまでも悲しみにくれているわけにはいかない。先へと歩み出さなければならない。


●事件発生からのできごと

事件当日からの経過については、こちらの京都新聞の記事中の表がまとまっているので参照されたい。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190818-00010001-kyt-l26

ここでは、あくまでぼく自身の眼が見た事件をめぐる社会の動きをまとめた。よってバイアスのかかったものであり、過不足があることは予めご承知頂きたい。

ぼくが第一報を目にしたのは、7月18日(木)11時過ぎ、出先でyahooニュース経由で京都新聞の記事からだった。「京都アニメーションのスタジオで火災 「爆発音」の通報、負傷者複数」(リンク切れ) その時点でのTwitterの反応ではまさかこのような大惨事になろうと捉えていた人は少なく、ボヤが起きたのだろうくらいの認識で、揶揄するようなコメントも多々みられた。

12時過ぎになり、死者が複数との報道が入る。「京アニ火災、数人死亡の情報 確保の男「液体まいた」(朝日新聞デジタル)」(リンク切れ) このあたりから不穏な空気が流れはじめる。ただ、未曾有の大惨事になるとまではぼくは予想できなかった。

14時ころ、10人死亡との一報。「スタジオ火災、10人死亡か(共同通信)」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190718-00000093-kyodonews-soci

この時点でぼくは絶望感に打ちひしがれた。通例事故報道で犠牲者の人数はどんどん増えていくからだ。

時を同じくして、著名なスタッフの安否情報や、内外を問わず著名人からのお悔やみのコメントが発表される。犠牲者33人との報道。

翌19日。青葉真司の氏名が公表される。犠牲者34人に。京アニ八田社長がコメント。(京都新聞より)https://s.kyoto-np.jp/politics/article/20190719000166

21日、参院選投開票。日本テレビバンキシャ」内でナレーターの大塚芳忠氏(「日常」などに出演)が、異例ともいえる自身のコメントを述べる。https://youtu.be/G-2yCaMD2dY

大阪芸大教授純丘曜彰氏、「終わりなき日常の終わり:京アニ放火事件の土壌」と題するコラムを公表。

22日。事件の証言や、被害者支援についての報道が増え始める。「京アニ放火「2階から飛び降りた」迫る黒煙、決死のダイブ 男性社員が証言(産経新聞)」、「京アニ放火 難航する身元確認 DNAも…京都府警(産経新聞)」、「京アニ、専門家招き従業員の心のケア(読売新聞オンライン)」(以上リンク切れ)

NHKクローズアップ現代」で特集。「京都アニメーション世界に広がる支援の輪」https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4312/index.html

24日、京アニが募金口座を開設。NHKが事件当日取材予定だったことが明らかに。Yディレクターの関与がTwitterを中心に噂される。

25日、京都府警が犠牲者全員の身元特定も公表を見送る。「京アニ放火 特定難航、遺族に配慮 発生1週間も身元公表至らず(産経新聞)」「放火、犠牲者34人身元全て特定 容疑者、3日前には京都に(共同通信)」(以上リンク切れ)

純丘曜彰氏のコラムが物議を醸す。「京アニを「麻薬の売人以下」呼ばわりの大芸大教授コラム 削除→再掲載→削除・謝罪のドタバタさらす(J-CASTニュース)」https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190725-00000013-jct-soci

26日、「NHK京アニ放火当日に取材予定=番組の制作依頼で(時事通信)」、「京アニ放火容疑者の意識戻る なお重篤、回復待ち逮捕へ(朝日新聞デジタル)」(以上リンク切れ)

27日、犠牲者35人に。橋下徹氏の発言。「橋下徹氏、京アニ放火事件で青葉容疑者へ「一人で死んで欲しい。他人を犠牲にしていいのか?社会でこういうことは言い続けるべき」(スポーツ報知)」https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190727-00000057-sph-soci

純丘曜彰氏、コラムについて弁明。「「麻薬の売人以下」は「京アニのことではない」 純丘曜彰・大阪芸大教授、炎上コラムの真意語る(J-CASTニュース)」https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190727-00000006-jct-soci

28日、青葉真司が京アニファンであった可能性が示唆される。「京アニ放火、犯行前に「聖地」巡る? 手ぶらで歩く容疑者、防犯カメラに(京都新聞)」(リンク切れ)

29日、サーバーから原画データがサルベージ。「焼損免れたサーバーから原画データ回収に成功 京アニ朝日新聞デジタル)」(リンク切れ)

山本寛氏、自身のブログで「僕と京都アニメと、「夢と狂気の12年」と「ぼくたちの失敗」」を発表。2019-07-29 10:48:19僕と京都アニメと、「夢と狂気の12年」と「ぼくたちの失敗」69

30日、「京アニ、容疑者と同姓同名の小説応募を確認 「小説パクられた」発言を裏付けか(京都新聞)」(リンク切れ)

8月に入り、事件の真相の解明が進まないこともあり、報道の割合も徐々に減り始める。

2日、遺族の了承を得られた犠牲者10人の氏名公表。武本康弘氏や西谷太志氏などが犠牲に。「犠牲者10人の氏名公表 京アニ放火殺人で府警 「ハルヒの消失」の監督も(京都新聞)」(リンク切れ)

4日、フジテレビが番組のテロップであり得ないミス。「京アニ武本監督死去でフジ誤報「あんなアホいない」と伝える(女性自身)」https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190804-00010005-jisin-soci

10日、「京アニ容疑者 一時的に意識回復「痛い」(産経新聞)」https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190809-00000608-san-soci

18日、「京アニ放火殺傷事件から1カ月…MBSが18日深夜特番 作品の原点を辿る」https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190816-00000202-spnannex-ent

19日、京アニが事件現場の献花台を25日をもって設置終了することを発表。http://www.kyotoanimation.co.jp/information/?id=3089