京アニテロを超える(4)おわりに
●おわりに
ここまで様々な識者の意見を紹介しながら、ポスト京アニテロの世界での生き方について拙い考えを述べた。結論と呼べるようなものは未だ提示することはできないけれど、歳月の風雨から生き残ってきた宗教にヒントがあるのかもしれない、と無神教のぼくは思った。川崎殺傷事件で標的になったカリタス学園はカトリックである。そのOGであるノンフィクションライターの飯島裕子氏の以下の記事を紹介したい。
カリタス学園「愛の教え」さらなる分断を生まないために
https://news.yahoo.co.jp/byline/iijimayuko/20190530-00127918/
>カリタス学園の教育は、他人を自分のように愛することで社会の分断をつくらない、生きづらさを抱えた人に寄り添う、教育であったとあらためて思う。
念を押しておくが、京アニテロにおいて青葉真司が犯した罪は生半可なことで贖われるものではない。京アニのスタッフの方々はぼくにとって大切な人たちであるし、ぼくの近しい人が同じような惨禍に巻き込まれたら正気でいられるか自信はない。しかし、それでもなお、憎悪で悲しみを癒すことには否定をする。他者を、そして自己を思い遣ることを始めよう。例えそれが殺したいほど憎かったとしても。